島唯一の塩工房「塩作りのわ」。塩は調味料としてだけでなく、魚の保存にも使える。だから島に塩は必要。ひとりで切り盛りする渡辺氏はとてもシンプルに、この仕事への情熱と使命を感じている。
工房は河口のすぐそば。海と川から混じり合った水を汲み上げ、平釜で炊く。燃料は、島の間伐材を使う。すべて、自然からの恩恵だ。
急ぐと固まったり、ざらりとしたりと質感が変わるので、慎重に、ゆっくり煮詰める。
できあがった塩をなめてみる。辛みよりも甘い感じが舌にまとう。焼き野菜に向いてる、と咄嗟に思う。また、桃とオリーブオイルに塩、豆腐とごま油に塩、キスにレモンと塩、肉と塩。どんどんアイデアがふくらんでいく。
いい塩があれば、それでいい。これまで出会ったどの塩とも違う、「それでいい」と思える塩だった。
2021年 10月 04日
フードトリップ 屋久島 エピソード 12
写真: よねくらりょう @ryo.yonekura
文章: 山村光春 @bookluckandgo
山村光春氏によるフードトリップ 屋久島の裏話エピソードはマイヤーオンライン及びインスタグラムに散りばめられている。
その時々の気分に合わせて、気に入った方で読んでもらいたい。
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